日本全国に数ある秘湯の中でも、絶大な人気を誇るのが岐阜県境の山間にひっそり佇む白骨温泉です。

県道白骨温泉線が開通し、松本ICから30分短縮されて約１時間でアクセス可能に。大変便利になりました。
霊峰乗鞍岳の東山腹に湧き出る白骨温泉は、深い樹林と湯川渓谷に囲まれた野趣あふれる温泉で、都会の喧騒（けんそう）を逃れ、季節の移ろいをめで、大自然の恵みを一身に享受できる秘湯といえます。
白骨温泉の源泉は無色透明な湯と白濁した湯があります。

湧き出した時は透明な湯で、空気に触れて時間経過とともに変化します。
その昔、大木をくり抜いた湯船に源泉を満たして利用していたところ、湯船に石灰分が付着して白い船のように見えたことから白船温泉と呼ばれていましたが、作家・中里介山著・大菩薩峠「白骨の巻」に登場して五彩絢爛（けんらん）たる絶景と称賛し、「白骨温泉」が通称となり定着しました。

古来より「３日入れば３年風邪ひかぬ」と伝わるほど霊泉的効能が高く、39度のぬるめの源泉に15分程度ゆったり浸ることにより自然治癒力を高める効果があります。

胃腸病に効能あり飲湯可能な源泉を使って炊く温泉粥（がゆ）と、そこに野菜を入れてからっと揚げた温泉粥コロッケが宿で提供され、大変まろやかでおいしいと評判です。

訪れる人々を魅了する上高地、四季の移ろい

白骨温泉から国道１５８号に出て車で約30分進めば、中部山岳国立公園で日本屈指の景勝地・上高地に到着します。
上高地は、奥穂高岳などへの登山客や景観を楽しむ観光客が多く訪れる人気の景勝地です。

殊に焼岳の噴火でせき止められた湖に立ち枯れの樹木が点在する大正池、明神岳や西穂・奥穂・前穂を背景に絶好の記念写真スポットとなる河童橋、大正池から田代橋へ湿原・水辺・森林が続く自然研究路などの神秘的で美しい景観が全ての観光客を魅了し続けます。

白い雪と静寂に包まれた冬、若葉の美しい春から初夏、秋の紅葉シーズンと四季それぞれの魅力を満喫しましょう。
（信毎観光・岩﨑象二郎）

※記事は2013年10月の取材時点のものです。