本郷地区は松本市北東部の女鳥羽川流域にある、26町会からなる広い地域だ。歴史も古く、地区内からは縄文、弥生時代の遺跡、遺物が多数発見されており、特に5世紀中頃の桜ケ丘古墳で出土した「金銅天冠」は県宝に指定されている。

鎌倉期の歴史書「吾妻鏡(あずまかがみ)」の文治2(1186)年の記載に、「浅間社」の名があり、そのころから浅間温泉と呼ばれ始めたといわれる。

江戸時代には御殿湯が置かれ、「松本の奥座敷」として栄えた。

その後、明治22(1889)年に本郷村が成立。昭和49(1974)年、松本市に編入合併した。
この地区の特徴は歴史と文化と自然が生活に根ざしていること。

大正時代に、県内で初めてとなる鉄筋コンクリート製の浅間橋、県営野球場、県営運動場が造られ、その後も浅間国際スケートセンター、かりがね自転車競技場、松本市浅間温泉庭球公園、県松本文化会館(キッセイ文化ホール)など、幅広い分野の施設が設置された。

まさに松本のスポーツ、芸術の発信地である。

そして奇祭として有名な「たいまつ祭り」は、この地区の歴史、文化、自然の融合の象徴として地域住民に愛されている。
また山に隣接した里山には豊かな自然が広がる。三才山方面には女鳥羽川の源流があり、そこには秘境のような手付かずの大自然が今も残る。

最近では遊歩道の整備を進め、多くの住民がトレッキングを楽しんでいる。
山、川、湖、そして温泉、文化がある本郷地区は、これからも伝統を守りながら、新たなる発展を続けていく。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。