山形村は松本市の南西に位置する、県内の村の中で一番面積の小さい村。
1874(明治7)年に大池、小坂、竹田の3村が合併してでき、昨年開村140周年を迎えた。
焼岳の火山灰土の土壌を利用した農業が基幹産業で、名産の長いもは長野県の出荷量の90%以上を占める。
最近では白ねぎやブルーベリー、アスパラガス、トウモロコシ、長いもの連作障害対策として作っているゴボウなど、品質のいい野菜や果物を多種にわたり産出している。
そして季節に合わせた収穫体験も各所で行われている。
作り手の多くが元気な高齢者であることから、同村の健康寿命が長いことがよく分かるが、後継者問題はこれからの重要な課題である。
また「観光」にも力を入れており、松本市や安曇野市と共に広域循環型の観光ルートの作成を進める一方で、松本空港に近いという立地を生かし、北海道小樽市や福岡県北九州市など県外の都市と共に「いきいきシンポジウム」を開催するなど、交流を深めている。
近年は松本市のベッドタウンとして、多くの若い世帯が村内へ移り住んでいる。
この大きな要因の一つに、子育て環境が整っていることがある。
小学校、保育園、放課後児童クラブや児童館などの施設が近距離にそろう。
共働きの夫婦にはとても便利な環境である。
また昨年オープンした子育て支援センター「すくすく」は、子供たちが安心して遊べるだけでなく、育児の相談が気軽にできたり、ママ友同士のコミュニケーションをとれたりする貴重な場所となっている。
地域のお年寄りが工作やソフトボールなど、さまざまなことを教える「小学校いきいきクラブ」では、得難い経験や知恵が伝えられ、世代を超えた交流が行われている。
村内にはグラウンドや体育館、ホールなどの設備が充実しており、文化系、運動系のさまざまなサークル活動が活発に行われている。
また村民の半分近くが出場する地区対抗の「村民運動会」、巨大花火があがる「山形じゃんずら」など、村民みんなが楽しめる行事が多い。
住みやすく、育てやすく、生きがいのある村、それが山形村である。