ゆったりした時の流れを楽しむ〝大人の旅〟として、絶大な人気を誇るクルーズ(船旅)。

まるでホテルやレストラン、シアターが海に浮かんで航海する洋上の楽園—。

その快適さと豪華な食事、エンターテインメントなど、至福の体験のとりことなる長野県民が増えています。

3月のベストシーズンに客船ふじ丸は、名古屋港から南南東へ約千㌔の小笠原諸島を目指しました。

世界自然遺産に登録された小笠原は、今から420年前の天正20年、深志城主の曾孫・小笠原貞頼が発見したとされる東京都の最南東端。

30の島々からなる南洋の楽園です。現在、2900人余りが暮らす平和で静かな美しい島々です。

終戦後、米軍統治下に置かれ、1968(昭和43年)6月、本土復帰を果たし、今年45周年を迎えます。

今でも島には最前線跡の塹壕(ざんごう)や砲台が残され、厳しい歴史を物語ります。

南洋特有の植物・果実、原色の花々など豊かな自然が魅力で、幸運なことに今回はザトウクジラに遭遇する機会を得ましたし、アオウミガメの産卵など珍しい光景を目の当たりにするチャンスもあります。
ここ小笠原では古くより貴重なタンパク源としてウミガメを食してきた歴史があります。

大海の孤島で外来種の持ち込み制限が厳しく、牧畜用飼料の確保が困難な島で、季節になると自らやって来るウミガメは神様の贈り物だったのでしょう。

高級料理としてウミガメの刺し身から煮込み料理などのメニューがあるそうで、チャンスがあれば皆さんにも味わっていただきたいものです。


お天気に恵まれた小笠原の紺ぺきの海はまぶしい太陽の光に輝いてひと際美しく、この島固有の大自然を未来永劫(えいごう)守っていくことが日本人の責任と参加者は一様に感じて島に別れを告げました。
(信毎観光・岩﨑象二郎)

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