松本城の北側に位置する城北地区は江戸時代、松本藩の武家屋敷が多くあった所で、多くの史跡が点在しています。
静かな住宅街で、総世帯数3429、総人口7644(2011年11月1日現在)ですが、国内最古の洋風小学校建築の一つである「旧開智学校」や、50万冊以上の蔵書がある「中央図書館」があり、市内外から多くの人が訪れます。
地区内の松本深志高校では、春の応援練習や夏のキャンプファイアなど、生徒の元気な声が響きますが、住民たちは温かい目で見守っています。
城北公民館で開く、いろいろな講座や催し物は、毎回好評で、地区外からの参加申し込みも多くあります。
旧開智学校は1876(明治9)年に、東京の開成学校(東大の前身)の建築様式をまねて、本町に建てられたもので、建築費用の約7割が、当時の松本町全世帯の寄付によるものです。
松本地方の人々の教育熱の象徴であり、1963(昭和38年)まで、子どもたちが実際に学んでいましたが、65年に現在の場所に移築され、教育資料館として生まれ変わりました。
江戸時代の寺子屋から昭和までの、教育現場の資料が多く保存されています。
中央図書館は1891(明治24)年に「開智書籍館」として開館。
120年という長い歴史があります。インターネット上で、何でも調べられるようになった現代でも、利用者の多い図書館ですが、居心地の良さからか、眠ってしまう人を見かけることも。
3階にある「喫茶パノラマ」は、ミートソースパスタ、エビピラフ、ビーフカレーが400円。ブレンドコーヒー、紅茶、各種ジュースなどが250円。トーストやサンドイッチもあります。隣のロビーでは、学生たちが熱心に自習する姿が見られます。
図書館の近くには、1551(天文20)年、小笠原長時が武田軍との戦いを前に、戦勝を祈願したと記録がある、鎌倉・室町時代の仏像3体を納めた「大日堂」、裏に性的な絵が描かれた「沢村の道祖神」、石像の首を借りていって祈ると、子どもの病気が治ると信仰されたという「首貸せ地蔵」、市指定保存樹のケヤキや古墳などがあり、カメラ片手に散策するのも面白いでしょう。
現存する希少な江戸時代の武家屋敷「高橋家住宅」も、水曜と土曜に午前9時から一般公開されています。
入場は無料。