標高3776㍍、日本最高峰の富士山。

「一生に一度は登りたい」と憧れていたこの山に今夏、松本の女性たち5人が挑戦した。

4つのルートから選んだのは、ツウが選ぶ?「須走(すばしり)」。

他ルートに比べて登山者が少なく、登り始めは樹林帯の道、帰りは砂走りを駆け下りるという変化に富んだ内容だからだ。初めて挑んだ富岳登山は―。

 

松本から須走へ

夕飯や翌日の食料を買い込んで松本インターを午後8時に出発。

静岡県の須走口に到着すると、5合目駐車場200台はすでに満車。

誘導員の指示でUターンして車道に止める。比較的登山口に近い場所でラッキー!
高山病対策を兼ねてしばし仮眠。でも、車の横を通る登山者が気になり眠れない…。

 

そうこうするうちに出発する3時半近くになり、支度を調えて登山口(約2000㍍)に向かう。

通り道の古御岳神社で安全祈願をして出発だ。
しばらく森の中を歩く。

夜間は標識を見落としやすいが、ベテランの先導で迷いはない。15分ほどで樹林帯を抜けると視界が開け、そこからは低木の中を歩いて行く。

 

歩いても歩いても

1時間ほどで6合目・長田山荘(標高2450㍍)に到着。水分やおにぎりを取る。

再び歩きだすと雲間から太陽が―。思わず手を合わせる。
左手の砂走りを見ながら、45分で本6合目・瀬戸館(2700㍍)に到着。

てっきり7合目だと思っていたので疲れが倍増した気分。雲海を臨む絶景と心地よい風で、落胆した心を紛らす。
瀬戸館を過ぎると展望の開けた登山道に。徐々に木々が減り、岩が増え、斜度がきつくなる。崖の上に小屋は見えるが、なかなか近づかない。体はきつくなる一方だ。
20分ほどで7合目・大陽館(3090㍍)に到着。休憩時に仲間からもらった冷やしミニトマトがおいしい。リコピンパワーで歩き続けると、ジグザク道の先に白い鳥居が見え本7合目・見晴館(3200㍍)に到着する。

この辺りから砂利が深く、ずるずる滑って歩きにくくなる。地道に足を運ぶ。

「皇太子殿下ご宿泊所」と書かれた8合目・下江戸屋(3270㍍)で小休憩。富士山ホテルの脇を通って本8合目・八合目トモエ館、江戸屋(3350㍍)がある地点で吉田ルートと合流すると、登山者が一気に増える。

 

登頂!!お鉢巡りへ

しばらく進むと8号5尺・御来光館(3450㍍)に。山頂までの最後の休憩ポイントだ。

あとひと息。同行者が持参した酸素を吸って力を振り絞る。こま犬の間を抜けて9合目の鳥居をくぐり、最後の坂を登り切ると山頂(3720㍍)。達成感で胸がいっぱいだ。

休憩後、山頂部分を1周するお鉢巡りへ。火口の直径は780㍍、深さ200㍍以上。ダイナミックな光景が広がる。剣ケ峰にある日本最高地点(3776㍍)で記念撮影。

奥宮でお参りし、御朱印やお守りを授かって帰途へ。
下山道の「砂走り」は、靴の甲が全部砂に埋まる砂利道。マスク、砂よけのスパッツ、つえ(トレッキングポール)は必需品だ。けっこうな斜度なので自然と小走りになる。

夢中で下り続け、頂上から2時間15分で登山口に着いた。
富士山の一般的な登山時期は7月1日(山開き)―8月末。

お勧めは梅雨明けの7月下旬以降の平日。山小屋は7、8月のみ営業。

 

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