travel_1702_sumou1
 郷土力士・御嶽海(木曽郡上松町出身)が2横綱、2大関を破って技能賞を受賞し、大関稀勢の里が苦節15年で初優勝し、第72代横綱昇進を決めた大相撲初場所。
 第66代の若乃花以来、なんと19年ぶりとなる日本人横綱の誕生に相撲ファンならずとも日本中が喜びに満ちて話題に花が咲いた。

土俵入り
土俵入り

 1月末に東京・明治神宮で開催された奉納土俵入りには、94年の新横綱貴乃花の奉納土俵入り観客2万人に次ぐ、1万8000人が集まる大フィーバーぶり。
 太刀持ちに弟弟子の小結・高安、露払いに同じ二所ノ関一門の幕内・松鳳山を従え、重さ6・4㌔もの純白の綱を締めて本殿前に登場。
 尊敬する初代若乃花の魂を受け継ぐ姿勢を示すため、攻守兼備を表すとされる雲竜型を初披露し、集まった観客らから喝采を浴びた。
 神話時代の出雲の力くらべを起源とし、事実上の国技とも言える大相撲は五穀豊穣を祈る神事として継承され、現在の仕切りは江戸期より変わらず守られてきた。
 身体能力の高い外国人力士の台頭に苦慮した日本相撲協会は外国人力士数を一部屋一人と制限し、伝統と品格を重んじる大相撲を国民に愛されるスポーツとして守っている。

両国国技館外観
両国国技館外観

 大相撲は年6場所のうち、3場所が両国国技館(東京都墨田区)で開催される。1階のたまり席、ます席から、2階の椅子席、自由席まで1万人を超す観客が土俵を囲み、熱い声援を送る。

出勤風景
出勤風景

 国技館へ行ったらぜひ立ち会っていただきたいのは、南門より午後2時ごろから幕内力士が続々と場所入りする出勤風景。
 横綱、大関以外の力士たちが、四股名入りの浴衣姿で登場すると、話題の人気力士を間近に見て記念撮影するチャンスとなる。

記念撮影
記念撮影

 また1階正面広場には遠藤ら人気力士に御姫様抱っこポーズの記念撮影ができるパネルも女性たちに大人気。
館内の相撲博物館には、歴代横綱の写真パネル、行司の装束や軍配、相撲錦絵や番付、化粧回しなど貴重な資料が展示され、観戦前に相撲の伝統、様式を学ぶことができる。
 取組では制止アナウンスも構わず、番狂わせに客席から座布団が乱れ飛ぶ様子に、やはり国技館での生観戦の迫力と雰囲気を間近に実感できて楽しい。
 最近ではスー女なる相撲大好き女子が増殖していて、瞬時に決まる勝敗がわかり易く、歌舞伎鑑賞に似た日本の伝統行事的な厳粛で神聖な雰囲気をオシャレと感じているらしい。
 また遠藤や勢らのイケメン力士も人気に拍車を掛けていて、貴ノ花、増位山、蔵馬、千代の富士らが熱い視線を集めた時代を思い出す。3月の大阪場所や4月の松本場所で御嶽海や稀勢の里らの活躍に期待したい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。