城東地区は国宝松本城の北東に位置し、地区中央には女鳥羽川が流れ、それと並行して東にやまびこ道路、西に国道143号が通る、南北に長い12町会からなる。
地区内には人や自転車専用を含め、6本もの橋が架かる。
当地区には信州大学、同付属小中学校や幼稚園、旭町小学校、県松本盲学校など多くの文教施設が隣接し、また信大付属病院をはじめ、多くの診療科の個人医院もそろうなど医療施設も充実しており、住環境の整った地域である。
女鳥羽川の西側は松本城の鬼門に位置することから、鬼門鎮護のための岡宮神社、大安楽寺、寶榮寺など多くの神社仏閣があり、善光寺街道沿いの町人町や職人町と共に江戸時代ごろから栄えていた。
女鳥羽川の東側は、1924(大正13)年~64(昭和39)年に松本駅から浅間温泉まで路面電車が走っていた通称「電車通り」(廃線後はやまびこ国体道路として整備)沿いに、多くの商業施設や住宅街がつくられ、発展してきた。
地区で力を入れているのが「災害に強いまちづくり」。
防災講座や訓練を毎年実施し、各町会の防災情報マップの作製、配布などを行っている。昨年の県北部の地震で被災した小谷村に訪れ、勉強会を開くなど、防災に対する意識を高めている。
また地区内には大勢の信州大学の学生が暮らす。そして多くの留学生が寄宿している国際交流会館もある。
この留学生たちが長野県や日本のことをあまり知ることなく帰国するという話を聞いた地域住民からの「日本での思い出づくりのお手伝いをしたい」という発案で、2010(平成22)年度から諏訪大社などの史跡を巡るバスハイクや、書初めやかるた取りなどを行う新年交流会が催されるようになった。
互いの国の文化や風習を学べると同時に、その後も道で会った時などにあいさつを交わすなど、日常生活で交流できるきっかけとなっている。
今夏は、留学生たちが旭町中学校の英語授業に参加するなど、さらに交流が発展。県外からの学生や留学生、多くの人が行き交う地区には、「一期一会」の精神があふれている。
■人口/1,957世帯、3,803人(2015年8月1日現在)
■学校、施設/ドンボスコ保育園、旭町中学校、ふくふくらいず、信州大学国際交流会館、信州松本もとまち自動車学校、(隣接で旭町小学校、信州大学、松本盲学校)
■神社仏閣、史跡/岡宮神社、大安楽寺、寶榮寺、正一位福徳稲荷大明神、自動車運転手試験場・自動車検査場記念碑
■地区内(女鳥羽川)に架かる橋/北から南浅間橋、曙橋、あさひばし、元町橋、元女橋、桜橋