北向観音
北向観音

御開帳に沸いた善光寺に相対し北向きに建てられた北向観音で有名な別所温泉は、鎌倉文化を開花させた北条義政の居城であった塩田城跡を有し、枕草子にも登場する信州最古の温泉です。

美人の湯として女性に大変人気が高い別所温泉は皮脂を溶かして古い角質層を軟化させ、肌をすべすべにする効用があります。

真田幸村隠し湯として知られる「石湯」は今でも岩の間から豊かに湧き出し、大師湯・大湯と共に浴衣姿で源泉掛け流しの外湯を巡れば、叙情豊かな湯街の散策を楽しめます。

ささら踊り
ささら踊り

前山寺裏手から塩田城址を経てそして龍光院・塩野神社へと続く鎌倉街道沿いは別名「あじさい小道」と呼ばれ、6月末から7月には道の両側に約4万本のガクアジサイが咲きそろい、青や淡紫色に染まったパステル画のような散歩道をゆったり歩いて過ごされる観光客も多いです。

岳の幟
岳の幟

昔から水不足に悩まされた塩田平で500年以上の歴史をもつ雨乞い祭り岳の幟は毎年7月中旬に開催されます。

早朝、幟を掲げ別所温泉を出発し夫神岳に登り、地域の安全と五穀豊穣を祈願し山を下る。途中で三頭獅子、ささら踊り一行と合流し湯街を一巡する奇祭で国選択無形民俗文化財に指定されています。

安楽寺八角三重塔
安楽寺八角三重塔

古刹の多い別所には、県内初の国宝に指定された安楽寺六角三重塔や天台宗別格本山の常楽寺、厄よけで知られる北向観音など見どころも多い。

未完の三重塔を有す前山寺で名物くるみおはぎに舌鼓を打ち、近隣の信濃デッサン館と無言館を訪ねてみてはいかがでしょう。
信濃デッサン館では村山槐多、関根正二ら若くして亡くなった夭折の画家たちの作品を鑑賞できますし、戦没画学生慰霊美術館「無言館」では画家を目指しながら志半ばで無念にも戦場に散った戦没画学生たち33名の絵画やブロンズ像など85点や書簡に触れることができます。

戦没画学生慰霊美術館「無言館」
戦没画学生慰霊美術館「無言館」

戦後70年を迎え、当たり前のように平和を享受している私たちですが、戦争の無謀さを再考し、平和を維持すべく行動することの大切さを思い起こさせてくれる無二の美術館と言えます。
(信毎観光・岩崎象二郎)

写真提供:別所温泉観光協会

※この記事は2015年6月取材時点のものです。

 

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