信州名物「そば」、小さい頃から慣れ親しんだ故郷の味。

一度は自分でそばを打ってみたいと興味を抱いている人は多いはず。

そこで今回はプロのおそば屋さんにそば打ちを教わるため、松本市並柳の『福寿』に向かった。

今回そば打ちを教えてくれるのは『福寿』の小松嘉幸店主。自ら育てたソバを天日干しし、石臼でひいたそば粉を使った絶品おそばを食べさせてくれる。
そば粉は小麦粉と違い「くっつきたがらない性質」を持っているので、つなぎが必要になってくる。

また乾燥することを嫌うので15度以下で密封して保存する。次に道具の準備と延(の)しと切りの事前練習をする。
準備が整ったら、いざそば打ち作業へ。

「最初の作業にして、一番重要な水回し。

そばの味の8割を決めると言っても過言ではない」と力強く小松さんは言う。
水は3回に分けて加水する(80%→10%→微調整)。

その日の湿度などでも水分量は変わっていくので、最後は微調整していく。

徐々にそば粉が固まっていき、1~2㌢の玉ができてきたら終了。パンやうどん作りと比べると、かなり使用する水量が少ないので戸惑った。
くくりと練りの作業へ。

水回しの終えたそば粉をまとめて玉状にし、手前に伸ばすようにして練っていく。

表面がもち肌状になったら→菊練り→ひな形→鏡餅のような形に成型。
先生がやるとあっという間に滑らかにまとまっていくのに、ぼろぼろして全然まとめられない。
次に延しの作業へ。猫の手で麺棒を持ち、丸い形が最終的には四角になるよう押し広げていく。この作業は事前練習がとても役立った。
延しは力よりもリズムのほうが大事。均一に約2㍉の厚さが目安。延し終えたら、8枚重ねになるようにたたむ。
切りは、包丁の重心を意識するように押し切るのがコツ。切った後包丁を左に倒すことで、こま板をずらし切っていく。
目安は2㍉幅。そばは乾燥させないことが大事なので、一人前ごとに切って食品保存容器につめ冷蔵庫で保存する。慣れてくると徐々に細く切れるようになってきた。


いよいよ自分で打ったそばをゆでて食べる。ゆで方のコツは、とにかく丁寧に作業すること。出来上がったそばはコシが強く、いい喉越し。

味も文句なし!自己流ではなく、一度しっかりとプロに教わることはとても大切だと実感。

信州松本人の醍醐味(だいごみ)を満喫した。

 

 

そば処 福 寿 (松本市並柳4-7-6)

■ TEL/FAX.50-5590
■ 木曜・第三水曜定休
■ 11時半~14時半、17時半~20時
◎そば打ち体験教室 ※要事前予約
費用1回2,000円(材料費、そばつゆ代込み)
そば打ち道具一式お貸しします。

 

※記事は2013年取材時点

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