島立地区は奈良井川の西側に広がる10町会からなり、長野道松本インターチェンジ(IC)があるほか、国道158号も通り、松本市の西の玄関口として栄えている。

そして豊かな水源により、昔から優良な穀倉地帯であった。

また地下水も豊富で造り酒屋、みそやしょうゆの醸造会社が地区内には多くある。

地区の西側を中心とした大半の地域は、農業振興地域として米や野菜などの農産物を生産している。

特にキュウリやトマトなどは高品質だと評判である。また長野道から東側の地域は、合同庁舎や松本ICができてから多くの郊外型の大型店や企業ができ、商業地域として発展してきた。

それに伴い若い世代の住宅が増え、新しい街を形成していった。このため同地区は若い世代から高年齢層まで、世代バランスがとれている。

水と肥沃な土地に恵まれていたこの地には、縄文時代ころから集落が存在したことが、発見された土器や住居跡など多くの遺物から分かっている。

また地区内には仁科街道、千国街道が南北に通り、野麦街道が東西に通っていたので、昔から物流の拠点として人や物の往来が盛んだった。文献に「島立」の文字が出てきたのは1300年代(南北朝期)で、そのころから島立の名は存在していた。

このように古い歴史を持つこの地区には多くの文化財や史跡が今も残っている。信濃国の三之宮・沙田神社は649年の創建で1300年以上の歴史を持ち、御柱祭も1000年以上前から行われている。

この他にも堀米の裸祭りや荒井の念仏講、御乳神社や栗林神社など挙げればきりがない。

島立公民館に詳しい遺跡MAPがあるが、その数の多さにはびっくりさせられる。

農業区域と商業区域、古い街と新しい街が融合しているこの地区には、特有の歴史や文化、地形などが数多く存在。

これらを生かしたまちづくりを推進していくことがこれからの課題という。そして地区の人たちは、多くの若者が働ける場所を提供できるように地区全体で工夫を凝らしていきたいと考えている。

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